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最近の話題から
■ 【新聞広告】平成28年度・除草剤適正使用キャンペーンについて
■ 除草剤を活用した外来植物の防除
■ 最近水田で問題になってきた雑草

平成28年度除草剤適正使用キャンペーンについて


当協会では、水稲用除草剤の効果の安定と水田外への流出防止のため、散布前後の水管理の徹底を啓発する活動を行っています。
一般に、水稲用除草剤は、散布後有効成分が水中に溶け出し、水田水を介して水田土壌の表層に拡がって除草効果を発揮します。このため、散布後に止水し、水田外への成分の流出を防ぐことは、除草効果を安定させるとともに環境への影響を小さくすることになり、特に散布後7日間落水、かけ流しをしない事が重要です。
この点について注意を促す内容のキャンペーン広告を、会員会社の協力を得て、水稲除草剤の散布時期に新聞に掲載するとともに、当協会ホームページでも紹介しています。こうした適正使用キャンペーンは、平成15年(2003年)から毎年継続して実施し、現在に至っています。
キャンペーン広告では、かけ流しをさせないための水管理法として、当協会が推奨している「除草剤散布後水田水がなくなるまで給水しない止水管理」を平成24年(2012年)より紹介しています。
以下に新聞広告を掲載致します。

» 除草剤散布後水田水がなくなるまで給水しない止水管理の詳細はこちらをご参照下さい。

※ クリックすると大きい画像がご覧になれます。

水稲用除草剤散布後7日間は田んぼの水を外に出さない

除草剤を活用した外来植物の防除


2005年6月より施行された’外来生物法’「特定外来生物による生態系等に係わる被害の防止に関する法律」(環境省ホームページ)の中で述べられているように、他の地域から意図的または非意図的に持ち込まれた生物(外来種)の一部が、その地域の自然環境に大きな影響を与えていることが知られている。外来種の中で、このように地域の自然環境に大きな影響を与え、生物多様性を脅かすものは‘侵略的外来種(invasive alien species)’と呼ばれている。植物については、河川敷などに侵入したアレチウリ(写真1)やハリエンジュ(別名ニセアカシア)、小笠原諸島に侵入したアカギやギンネムなどの外来種が、その極めて高い繁殖力により、長い時間をかけて育まれてきたかけがえのない固有種を含む在来の植物種を圧迫している事例が数多く報告されている。

2005〜2007年度に行われた文部科学省のプロジェクト研究、科学技術振興調整費・重要課題解決型研究「外来植物のリスク評価と蔓延防止策」(独立行政法人 農業環境技術研究所ホームページ)では、(独)農業環境技術研究所が中心となって外来植物の生態特性の解明、今後侵入が予想される外来植物種に対するリスク評価法の開発、侵入した外来植物種に対する蔓延防止技術の開発に関する研究を行った。その中で植調協会は、他の参画機関とも協力し合いながら、主に自然生態系に悪影響を及ぼしている代表的な外来植物種に対し、効率的でかつ防除対象植物以外の生物への影響が少ない防除法の確立に取り組んだ。

その結果、除草剤を用いた防除は、薬剤の種類や使用方法(写真2)を適切に選択すれば、自然植生中で問題となっている植物に対し、効率的でかつ保全すべき植物への悪影響が少ない防除手段となることが判った。その研究成果を基に、下記の外来植物防除マニュアルを取りまとめた。

ただし、除草剤はもともと植物に対して影響の強い物質であるため、使い方を誤れば、保全すべき植物に対しても悪影響を及ぼす可能性がある。そのことを十分に認識しながら、植物の特性やその場の状況に応じ、他の防除技術と組み合わせながら除草剤を適切に利用していくことが大切である。

自然植生中における外来植物の防除マニュアル(暫定版)


写真1:河川敷を覆い尽くすアレチウリ   写真2:除草剤の切り株塗布処理で枯れたハリエンジュ
写真1:河川敷を覆い尽くすアレチウリ   写真2:除草剤の切り株塗布処理で枯れたハリエンジュ
※周辺の植物には悪影響は見られない
最近水田で問題になってきた雑草


水田にはいろいろな種類の雑草が生育しますが、このうち主に防除対象とされてきたものは、ノビエ、タマガヤツリ、アゼナ、キカシグサ、コナギ、ホタルイ、ミズガヤツリ、ウリカワ、ヒルムシロ、オモダカ、クログワイ等です。水稲用除草剤、特に一発処理剤の普及でオモダカ、クログワイ等生態的に防除が難しい雑草を除くと、これらの雑草で困っている農家は少なくなってきています。その一方で、これまであまり問題にされなかった雑草について相談を受けることがあります。ここでは最近増えてきた水田雑草を順次紹介して行きます。


イボクサ
ツユクサ科の一年生雑草で、東アジアの湿地や水辺に自生しています。茎は下の方で枝分かれして地面を這いながら伸び、先端は立ち上がります。9〜10月にピンク色の可憐な花をつけます。
関東の水田では代かき前の3月〜4月から発生し、代かきによって茎が切断されてもそこから根や芽を出して増殖します。放っておくと茎を伸ばし、枝分かれして四方に広がって、やがて立ち上がってイネにからみつくようになります。田植え後に種子から発生する場合もあります。また、畦(あぜ)から水田内に入り込む場合もよく見られます。
田植え後に種子から発生したものは通常の除草剤で防除出来ますが、問題になるのは代掻き前に生育したものからの再生株です。代掻きの時に土の中に完全に埋め込まれたものは再生しないので、丁寧に代掻きをし、再生個体数を少なくすることが大切です。耕起前に旺盛に生育したものが目立つ場合は非選択性の茎葉処理除草剤を散布して防除しておくと効果的です。
多くの一発処理剤に含まれるスルホニルウレア成分はイボクサに効果がありません。有効な成分はピラゾレート、ピラゾキシフェン、ベンゾフェナップ、ベンゾビシクロンなどの白化剤やプレチラクロール、メフェナセット、ベンチオカーブ、エスプロカルブ、モリネートなど、またクロメプロップ、MCPB、2-4D、MCPなどホルモン作用の剤、あるいは乾田直播栽培で登録のあるビスピリバックナトリウム等で、現在これらの剤の有効な使用方法について検討がなされています。
今のところ有効な除草剤使用法はイボクサの再生が始まる前かごく初期に散布し、その後再生が見られたら早めに中期剤や後期剤を散布することです。
写真:水稲移動時、イボクサの再生
水稲移動時、イボクサの再生
  写真:代かき前のイボクサ
代かき前のイボクサ
  写真:春期、イボクサの発生
春期、イボクサの発生
  写真:生育期のイボクサ
生育期のイボクサ
写真:イボクサの開花期
イボクサの開花期
           


クサネム
マメ科の一年生雑草で、ネムノキの葉によく似た葉をもっています。土が適度に湿った条件が発芽に適しており、畦や湿地に多く発生します。水田などでは水の中でも発芽し、開いた子葉の浮力で浮き上がって水面を浮遊します。そして、これが浅水部分や畦際に漂着すると根を下し定着します。したがって、水がきちんと張られた水田の中には定着しませんが、土の表面が凸凹になっていると、浅水部分や田面が露出した部分に漂着し生育します。また、直播の水田では播種後に水を落としたり浅水で管理するためクサネムが定着しやすい格好の条件になります。
クサネムは大きくなると高さ1.5m近くまで伸びます。夏に黄色の花を咲かせますがネムノキの花のような派手さはありません。種子は米粒大で黒く、莢に入っています。
水田で生育したクサネムは、稲刈りのころには茎が硬くなるため作業の妨げとなったり、黒褐色の種子は大きさ形が米粒と似ているため、米に混入すると分けづらく、米の等級を落としたりするので、水田では厄介な雑草です。
水田でクサネムを増やさないようにする為には、耕起・代かきをていねいに行って、水田を均平にし、水をきちんと保つことで田面を水面から露出させないようにする事が大切です。また、クサネムが発生している水田では、種を着ける前に抜き取るなどして、きちんと防除しておくことが大切です。
スルホニルウレア系成分を含んだ一発処理剤など、多くの水田除草剤がクサネムに有効ですが、クサネムは発生期間が長く、除草剤散布後に田面の露出した部分があると、後から発生してきて、順次生育してしまうため、通常の防除だけで完全にクサネムを根絶することは困難です。
初期防除で残ってしまったクサネムは、本葉が2枚くらいまでの大きさならば、シメトリン・MCPBを含む中期剤で枯殺できます。それでも残って手に負えない場合はバサグランやMCPなどの後期剤も良く効きますが、これもイネの草丈を越えるほど生育してしまったものには効果が劣りますので、クサネムの草丈が30cmになる前に散布してください。
乾田直播でクサネムを防除したい場合は、播種後、入水前の使用で登録のあるビスピリバックナトリウム塩液剤の茎葉散布が有効です。完全に枯死しない場合でも種子を付けるのを防ぐことが出来ます。
写真:浅水部分で発生したクサネム(本葉2葉期)
浅水部分で発生したクサネム(本葉2葉期)
  写真:イネの草丈を超えるまで成育したクサネム
イネの草丈を超えるまで成育したクサネム
  写真:生育期のクサネム
生育期のクサネム
  写真:クサネム着莢期
クサネム着莢期
写真:種子を付けたクサネム
種子を付けたクサネム
           


タウコギ、アメリカセンダングサ
いずれもキク科の一年生雑草で畦、湿地、休耕田等に発生し、優にイネの草丈を超えるくらいまで生育する大型雑草である。クサネムと同様に浅水部分や田面が露出する部分で定着・生育する。
除草剤試験例は多くないが、タウコギにはピラゾスルフロンエチル、ピリブチカルブを含む剤の有効性が認められている。発生前から発生始までの早い時期の処理が効果的だが、田面の露出しがちな部分では残草しやすい。残存した場合には本葉1葉期前後までにシメトリン・MCPBを含んだ中期剤を使用する。
写真:浅水部分で発生したクサネム(本葉2葉期)
イネの背丈を越えるまでに生育したアメリカセンダングサ
  写真:イネの草丈を超えるまで成育したクサネム
生育初期のタウコギ(本葉3対目展開中)
  写真:生育期のクサネム
生育期のタウコギ
   


キシュウスズメノヒエ、アシカキ
いずれもイネ科多年生雑草で稈は地表を這い、畦畔から水田内に侵入し、節から根を張り水田内で増殖する。匍匐性のため草刈機では刈り払いできず発生の多い畦畔では鎌で刈っている光景をよく見かける。水田内で増殖したものを放置すると翌春再発生し、耕起・代掻きで稈が切断されてもすぐに再生し水田内での増殖源となる。アシカキは水田内での発生はほとんどないといわれているが、農家圃場を観察していると畦畔付近の水田内で発生しているのを見かけることがある。
除草剤による防除法はキシュウスズメノヒエに対してはシハロホップブチル剤の落水後茎葉処理が有効で、畦畔から侵入したものに対しても侵入1m程度までに処理すれば効果が高い。その際、畦畔部分散布するとさらに有効である。ただしアシカキには効果がない。また、耕起前や水稲刈り取り後にグリホサート剤、グリホシネート剤、ビアラホス剤などの選択性茎葉処理剤を散布しておくことも有効である。
写真:種子を付けたクサネム
畦から侵入するアシカキ
  写真:種子を付けたクサネム
アシカキ
  写真:種子を付けたクサネム
水田内に発生したキシュウスズメノヒエ
  写真:種子を付けたクサネム
春期、茎から再生したキシュウスズメノヒエ


おわりに
水田に発生する雑草は200種前後といわれ、生態も多様である。水稲用除草剤使用の大半が初期剤と中期剤の体系処理であった頃問題視されていたウリカワ、ミズガヤツリ等の多年生雑草も一発処理剤の普及とともに見かけなくなってきた。除草剤使用体系の変遷とともに問題視される雑草も変遷してきたということであろう。また、耕起・代掻きや水田畦畔の雑草管理などの作業が粗放化してきたこともこれらの雑草が目立ってきたことの一因として挙げられる。
 
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